No.46: パート労働者全員、社会保険加入か?
どうなる?2025年年金大改革!



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どうなる?2025年年金大改革!

25年の年金改正に関し、7月3日、厚生労働省は国民年金(基礎年金)の保険料支払期間を 現行の40年から45年に延長する案を見送ると決定した。
とのネット記事を見ました。

国民年金は、3号保険者の存在や、免除者の存在もあり、単体ベースでは 赤字なので、年数を増やしても・・・
と判断したのか・・・
それとも、昨今の政治情勢を鑑みて、国民にさらなる負担を強いる話はしづらいのか?
わからないですが…
第16回社会保障審議会年金部会の資料を見ると、年金制度はこのままじゃ…
というのは明白で…
ちょっと、その資料について深堀をしたいと…

わかりやすさを重んじて解説しますので、
多少、厳密にいうとちゃんと説明しきれない場所もありますが…そこはご容赦を…


 


 年金制度の概況と見通し


「百年安心年金」ていうキャッチフレーズを覚えてますか?

小泉元首相の時に行われた年金改革です。
「①国民年金の国庫負担を1/3から1/2に引き上げる」とともに、
「②5年ごとに、次の100年年金制度が破綻しないように検証」し、
「③マクロ経済スライドによる給付の自動調整を行う」というものです。
主には、上記3つが柱かと思うのですが、②と③は制度を守るための大切な規定と 思います。

マクロ経済スライドって

年金財政が破綻しないように、経済情勢(賃金状況)に連動して調整し、かつ、平均寿命の情勢にあわせて 給付金を調整するというものです。世の中の変化にあわせて給付金を調整し、財政圧迫をおさえようというものです。

ぶっちゃけ、平均寿命が延びたら、給付しなくちゃならない金額が増えるわけで、それを補うために 給付金をさげましょう…というものです。
ただ、極端になったらまずいということで、緩やかな 対応になるよう実は細かな規定があって、計算式もあるのですが、少々複雑でして…
まあ、今回は、ほんとの本当の概要ということで…

5年ごとの検証って

また、5年ごとに検証ということは、社会情勢を鑑みて、制度改正などを 通じて、その後100年制度が持つようにしましょうということで、 この規定に基づいて、常に見直しをしているというのが実状です。

2025年金大改革と言われていましたので、かなり、大きな改革が…
と言われているところです。

まあ、国民年金の65歳までの延長は見送られたわけですが…

次に、現状と将来予測を見てみたいと…

所得代替率 って

所得代替率、昨今、よく聞かれることと思います。
これは、モデルケースによる標準的な年金額を示すもので、 現役時代の平均収入の50%とか60%とかカバーしますよ…というものです。
ちなみに今回の試算で示された2024年は61.2%です。

ただ、ここで考えねばならないのが、
このモデル、平均的な収入のサラリーマン夫 + 専業主婦  の年金額ということで、
現在の平均月収入が30万くらいでその6割ということですから、
モデルのような65歳以上の夫婦には月額18万くらいの年金になる…
ということになります。
で、誤解があってはならないので…
この代替率は、上記のモデルの場合でありまして、傾向的に そもそも所得が多い人は、代替率が下がりますし… 低い人はあがる…ということです。

だから年金制度は所得調整機能もあり、かつ、 老後を支えてくれる大切な制度であるということです。

独身者は、これより低くなっています。
確か小泉年金改革の時、経済雑誌で見た記憶では…
独身者は50%ぎりぎりのような試算がしめされていたような… なめんなよ!!!と思った記憶が…
ああ…あとボーナスで初めて、社会保険が引かれた時も衝撃でした…

将来の見通し

今後の情勢を確認する上で、色々な指標の3パターンもしくは4パターンにより試算を数多く示されてます。
・合計特殊出生率
・平均寿命
・入国超過数 (外国人の流入も考慮にいれないと…ということかと…)
・就業者数 
・就業率

〇経済成長
上記をもとに、令和6(2024)年財政検証結果の概略 として以下図が示されています。



今回、暗に50%以下もあり得るということを示しています。
参考資料では前回検証時予測より、「被保険者は増える」「賃金はあがって…」 状況は改善したなんて記述もあるんですが、全体の少子高齢化社会の流れには 逆らえないものと思います。

これに加え、オプション試算として、
以下の手法が検討材料としてあがっています。
1.被用者保険の更なる適用拡大   
2.基礎年金の拠出期間延長・給付増額(今回見送りです。)
3.マクロ経済スライドの調整期間の一致
4.在職老齢年金制度
5.標準報酬月額の上限



 

 



どうなる年金改革(あくまで予測…)

そもそも、日本の年金制度は、現役世代が払ったものを 年金給付に充てるというものです。
ただ、すべてというわけではなく、膨大な年金運用会計が 数兆円浮いた…損をした…なんてニュースが流れるように
将来の貯蓄の部分もあるのですが、年金給付を現役世代に 負担させている側面があるので、
少子高齢化の社会が進めば、
少ない現役世代で多くの年金取得者の給付分を補わねばならない ということで、現役世代の比率が高かった昭和の設計では、当然、破綻が見えています。

今回は、資料に上がってないですが、僕の時は、支給開始どうせ70でしょ!ぐらいに思っています。

今回、TVでミスター年金こと長妻先生が言われていましたが、
「今回の試算50%ありきで組み立てているのでは…」
つまり、現状は、示されている以上に… ということかと…

これを踏まえ客観的に考えると、
確実に、収める年金保険料総額を増やす方策をとるはずで…
上記に記述したオプション試算の部分について、今回の 改革の材料になるのでは…と思っています。

年金対象の拡大

今般、国民年金65歳までの支払い延長は見送られたので、 「1.被用者保険の更なる適用拡大」が中心に進められるのでは と予想します。これ図が示されていまして…


具体的なターゲット案(?)として以下の試算が示されています。
案という言い方には語弊があるような気がしますが、実質、これをもとに適用拡大を検討すると思われるので、 ここでは案と言わせていただきます。

① 90 万人 ・・・ 企業規模要件撤廃+非適用業種の解消(A)
② 200 万人 ・・・ ①+賃金要件撤廃又は最低賃金の引上げ(A+B)
③ 270 万人 ・・・ ②+5人未満個人事業所(A+B+C)
④ 860 万人 ・・・ 週10時間以上の全ての被用者へ適用拡大(D)

要するに2号保険者(厚生年金)をできるだけ増やそう… ということであり、何も変更ないということは多分ないでしょうから… 時間的猶予は持たせるとしても、①はほぼやると思います。

①企業規模要件撤廃+非適用業種の解消(A)

この24年10月から、51人以上の規模の企業に対しては、週20時間以上の労働時間で 月88,000円以上の収入のある従業員は社会保険加入が決まっています。

この流れで、まず、企業規模要件が外れるのでは…と考えられます。
ただ、中小企業にとっては負担がふえるので、国がどう配慮するかなんですけど…

また、個人事業主でかつ、特定の事業の場合(飲食、美容、宿泊、娯楽業等)は 適用除外なんですが、 5人以上の規模であれば、対象にしましょうというのが案です。

多分、これくらいはやらんとカッコつかんので、この①はやるのでは…
と予想しています。

② ①+賃金要件撤廃又は最低賃金の引上げ(A+B)

今、社会保険の下限収入が8.8万円(いわゆる106万の壁)になっています。
週20時間以上働いても、上記に達しない人は対象にならない状況にある現状を踏まえ、 ここを対象化しようとする案です。

手法として、8.8万円の壁を取っ払うか?
最低時給を上げて、週二十時間以上働けば、自然と8.8万を超えさせて対象化しよう という案です。

最低時給を上げるというのは政府の意向にも沿うので、 この②まではあり得るのでは・・・と思っています。

③ ②+5人未満個人事業所(A+B+C)

5人未満の規模の個人事業所を対象にしようというものです。
ココ零細が多いです。
本当にやるのかしら…

④週10時間以上の全ての被用者へ適用拡大

多分、最終的着地点はここだと思います。
ただ、3号被保険者で、かつ配偶者の扶養内に入って…
と調整している方々からすると…
反発は強そうな…

やり方間違えると、労働力が減少する中、 働くことを選択しなくなる人が増えることは…
ちょっとまずいことになるので…

ココは国も慎重に考えるかと…
まあ、今回はないなぁ…と思えてしまいます。
ただ、将来的には、3号被保険者制度を無くして、働く人はすべからく厚生年金に…という方向性は間違いないかと…

その他にも変更案が出てまして…

在職老齢年金制度について

結構、既に問題視されています。
これ…
収入の多い方は、厚生年金支給額が削られる(無支給の場合も) 制度でして、働けるシニア層の労働抑制になっているのでは…
ということで、今回、検討に付されることになったのかと…

ただ、単純に撤廃はなさそうです。今回の試算では、 撤廃した場合、労働者は増えるけど、年金資産上は大いにマイナス ということなので、
停止要件になる収入の上限の引き上げは されるだろうとは思います。

標準報酬月額の上限

上限額を変更する場合、以下の規定があります。
各年度末において、「全被保険者の平均標準報酬月額の2倍に相当する額」が 「標準報酬月額の上限」を上回り、「その状態が継続すると認められる場合」には、 その年の9月1日から、健康保険法の標準報酬月額の等級区分を参考にして、 政令で、上限の上にさらに等級を追加することができる。 上限額をあげて、悪いことはないので、
多分、上げるでしょう・・・
それに伴い、現状の規定も見直すのでは…と思っています。

以上、今回の年金部会の資料を見て、
簡単解説をしてみました。
実際に、どうなるかは、この年末に明らかになるのでは、…と思います。

気になる方は、厚生労働省のHPをご覧ください。
対象のHPの場所はコチラ