No.42: なかなか消えない
ハラスメント問題!



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なかなか消えないハラスメント!

 













ハラスメントはありえない!
もう、昔と違う…そういわれて久しいような気もするのですが…
実際は…なかなか…という状況に
あるようです。

令和6年5月17日(金)厚生労働省より、
「 職場のハラスメントに関する実態調査」
が公表されましたので、その結果について紹介しつつ、
個人的見解を述べたいと…




 


 報告書の概要について


企業側結果 概要

取り組みのわりに…セクハラ以外は…改善せず…
過去 3 年間各ハラスメント(パワハラ、セクハラ、妊娠・出産・育児休業等ハラスメント、 介護休業等ハラスメント、顧客等からの著しい迷惑行為、就活等セクハラ)の相談件数については、 セクハラ以外では「件数は変わらない」の割合が最も高く、セクハラのみ「減少している」が最も高かった
 


対策はとられている。しかし、企業規模の差は大きい
パワハラ、セクハラ、妊娠・出産・育児休業・介護休業等ハラスメント、顧客等からの著しい迷惑行為、 就活等セクハラに対して予防・解決のために実施している取組として、「相談窓口の設置と周知」の割合が最も高く、 約 7 割以上の企業が実施している。次いで「ハラスメントの内容、職場におけるハラスメントをなくす旨の方針の明確化と周知・啓発」 の割合が高く、約 6 割以上の企業が実施している。

各ハラスメントについて、従業員規模別にハラスメント予防・解決の取組を実施している企業と 何も実施していない企業の内訳をみると、いずれのハラスメントにおいても企業規模が大きいほど取組を実施している割合が高い。 なお、全体として最も取組が行われているのはセクハラで、92.7%の企業が取組を実施している。 一方、就活等セクハラは取組を実施している企業の割合が 52.4%で最も低かった
 


やっぱり多い!パワハラ、セクハラ
過去 3 年間に各ハラスメントの相談があったと回答した企業の割合をみると、高い順にパワハラ(64.2%)、 セクハラ(39.5%)、顧客等からの著しい迷惑行為(27.9%)、妊娠・出産・育児休業等ハラスメント(10.2%)、 介護休業等ハラスメント(3.9%)、就活等セクハラ(0.7%)であった。
 


対策の遅れているカスハラ
顧客等からの著しい迷惑行為に関する取組として実施しているものは、「特にない」(55.8%)が最も多く、 次いで「自社従業員が取引先等からハラスメント被害を受けた場合の取引先等への協力依頼」(13.9%)であった。 業種別にみると、一般消費者との接触頻度が高い「医療、福祉」、「金融業、保険業」、「宿泊業、飲食サービス業」 などにおいて、取組を実施している割合が他の業種より高く、「製造業」、「建設業」、 「電気・ガス・熱供給・水道業」などでは、取組の実施割合が他の業種より低かった。
 


就活の対応も考えねばいけない時代…
就活等セクハラに関する取組として実施しているものとしては、「特にない」(53.0%)との回答が最も多かった。 業種別にみると、「金融業、保険業」、「情報通信業」などでは、各取組の実施割合が他の業種より高く、 「生活関連サービス業、娯楽業」、「宿泊業、飲食サービス業」などでは他の業種より実施割合が低い項目が複数見られた。
 

労働者側から見た結果

過去3年間で約5人に1人がパワハラを経験!
過去 3 年間に勤務先でパワハラ、セクハラ、顧客等からの著しい迷惑行為を受けた割合 は、それぞれ 19.3%、6.3%、10.8%であった。 また、顧客等からの著しい迷惑行為を一度以上経験した割合については、 接客頻度が高いほど、経験した割合が高く、業種別にみると、「生活関連サービス業、娯楽業」(16.6%)、 「卸売業、小売業」(16.0%)、「宿泊業、飲食サービス業」(16.0%)の順で高かった。
 


泣き寝入りが多いのが実情…
パワハラ、セクハラを受けた後の行動としては、「何もしなかった」(それぞれ 36.9%、51.7%)が最も多く、 顧客等からの著しい迷惑行為については、「社内の上司に相談した」(38.2%)が最も多かった。 また、勤務先におけるハラスメントの予防・解決に向けた取組への評価が高いほど、「社内の同僚に相談した」や 「社内の上司に相談した」等の割合が高く、「何もしなかった」の割合が低かった。
 


結局、行動する職場が少ない実態が・・・
勤務先によるハラスメントの認定については、パワハラ、セクハラでは、 「ハラスメントがあったともなかったとも判断せずあいまいなままだった」 (それぞれ 61.4%、47.5%)の割合が最も高かった。
 

上記一部を抜粋して、概況を紹介しましたが、実際は390ページに亘って、 結果報告とそれに伴う分析がされています。
報告書のリンクはコチラ
一度見ては如何でしょう…

 

 



赤門社労士が思うに…


僕の経験話です…
2000年前後くらいでしょうか…
もうはるか昔なのですが、セクハラということが注目され、
ついでパワハラ…そして各種ハラスメントが注目され、
様々な対策が打たれたような気がします。
それまでは、僕のいた大手と言え、まあ気取った本社は別として、
一時期、属した販売会社では、日常的に
ボケ
カス
4ね
なんて言葉が横行してました。
あと部屋の中は、もくもくです。(はい、タバコの煙です。)

そこから、タバコは部屋で吸えなくなり、研修の効果か、一応、暴言は消えていったような気がします。
さりながら、
僕は、その後、総務部門で、
セクハラ研修、パワハラ研修というものに関与させて頂きましたが、
研修をするその当事者からして
セクハラ体質、パワハラ体質をまとっている方だったもんで…
なんだかな~なんておもいながら携わった記憶があります。

さておきです。
もうセクハラ、パワハラの撲滅が騒がれて20年近く…
しかし、今回の報告書を見て…
企業側の対策はするにも関わらず、なかなかすすまないものだなぁ と思い知った気がします。人間の心は難しいです。

だからと言って…
だって人間なんだもん…
なんて著名な人の言葉ふうに言ってごまかしていい内容ではないのも事実です。

で、今回の報告書で目を引いたのが、「ハラスメント」を受けても、 相談等をしないという方(泣き寝入り)が多いという事実です。

結構、中小を渡り歩いてきての実感ですが、
上司にこの手のハラスメントの意識が薄く…というか
自覚のない人が多いように感じて来ました。
で、この自覚のない上司の下の人は、どんどん人が辞めるパターンが多いです。

転職の理由のかなり高い理由として「人間関係が…」というのがあるかと思いますが… まさに、この理由の大半が「パワハラ」等によるものが多いような気がしてなりません。

その意味で、離職率が高いな…と思ってらっしゃる企業の方は、 この点に、配慮することも大切かと思います。
なお、大手は、形は作っています。
けど中身が伴わないというはよくある話です…
というか…それだからの結果のような気もします。

大手でも、ハラスメント行為者が権力者だから…
なんてことは往々にしてあるようです。
以下リンクに一例を挙げます。あえて会社名は挙げません。
興味があったら、クリックしてみてください…

〇セクハラの事例
https://www.sankei.com/article/20211206-6ISOREYSNRLD3OIJZH6MJ4PNC4/

〇就活ハラスメントの非道(ただ、ここは本社社長がもみ消しをゆるさず、厳正に対応したそうです。)
https://biz-journal.jp/company/post_12615.html

結局は、
実効性のある内容であれば…形はなんでもいいわけで…
大切なことは、社員に共通認識を持たせることかと…思います。

また、この報告書から、カスハラについて もっと、よく考えることが必要な気がしました。
相手がお客様だけに難しいのは当然なのですが、社会のモラルの問題として捉えるべき内容だと思う一方、 社内においては、従業員に過度な負担を与えないためにも、事前の対応策を検討し、 従業員に周知することが望まれると…