No.26: 課長に残業代を払わなくていいのか?



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課長に残業代を払う必要はあるのか?

課長に残業代を支払っていますか?


一般的に、社会通念上、
会社組織において課長以上は管理職とされ、
管理職手当は支給するものの、残業代は支払っていないところが
多いと存じます。

けど、そのままじゃ、まずいかもしれません…
というよりまずいです。
大事なことなので、もう一回言います。

本当にまずいです。

 

















 


●法的根拠について


そもそも、管理職に残業代を払う必要がないという法的根拠は
労働基準法41条2号で「監督もしくは管理の地位にある者(管理監督者)」 であるものには、労働者に適用される「労働時間」等の規定の適用除外する という規程からきています。

但し、管理監督者とは、経営者と一体をなすものを言い、 単に、課長職だから管理監督者とはならないというのが 法的な解釈です。

時に、「マクドナルドの名ばかり管理職」裁判をご存じでしょうか?
店長だから残業代はいらないとしていた会社側の主張が認められず 店長に莫大な残業代を支払ったという裁判です。

同様の裁判は結構あって、ほとんど労働者側の勝利です。
その時の争点になるのが
管理者としての実態があるか否か?
見合った給金が支払われているか?
の2点です。

そして、この2点が特に重要になります。
そして、その判断は実態にあわせて判断するということで、 ちなみに、飲食店の場合の判断基準は以下ということです。

以下の場合は、管理監督者としての地位を否定する状況です。
採用/解雇の決定権をもたない
人事考課に影響力を持たない
労働者の時間管理に権限がない
時間に縛られる(労働時間をみられている)
管理職として見合う賃金となっていない


かなり、乱暴な言い方をすると
時間に縛られない=自由出勤が許されて
十分な権限があり=従業員を顎で使えて(ちょっとふざけた表現をしていますが…(^^)/)、
地位に見合う報酬が支払われていて、
労働基準法でいうところの管理監督者となるのです。


上記を踏まえて考えると…
労働基準法でいう管理監督者というのは、特に中小企業の場合、
本当に、経営者に近い地位にいるもの以外
課長以上の役職にあっても、管理監督者にあたらない
というのがほとんどかと存じます。


また、昨今は、「名ばかり役員」という言葉も存在します。
肩書だけでは、法的な意味での管理監督者にならないことに ご注意下さい。
 

 



●じゃあ…どうすれば・・・


社会通念上、課長=管理職=残業代いらない
という考えが蔓延しているのも事実です。
しかし、現状、働き方改革が進む中、
世の中の認識も変わっていきますし
法の運用も厳格になっていくことが予想されます。
また、従業員も労働法に対する関心も高まってくるでしょうし、
そのまま…というのは好ましくないと思います。
少なくとも、労基署に入られた日には指摘される可能性は大きいと思います。
ちなみに裁判に至った場合、ほとんど勝てないでしょう…

今一度、会社の管理職の労働実態をしっかりと把握し、
法律に沿った対応をすることが望まれます。

僕が思うに…
いちばん現実的なのが、
前、僕が務めた会社であったのですが
管理職手当に、含み残業を加える制度にすることか?
と思います。
(例:課長職手当:15万円(35Hの含み残業含む)等)

ただ、現状の制度から移行する際、
従業員にとって制度改悪とならないように注意して行う 必要があると思います。
間違っても、役職者としての手当の意味合いが薄く露骨な残業代の代わりというような制度にすると 従業員の心が離れますし、場合によっては、法的にまずいということもありえます。

そして、もし、できるなら中長期的視野にたって 組織の管理職の定義を明確化し、 労働基準法上の管理監督者に含めるのか否かを はっきりさせ、賃金体系を構築していくことが あるべき姿であると思います。
(大企業と呼ばれるところは、この道をほぼ通っていると思います。)

ただ、実際、このような賃金体系を構築することは、
会社の予算、会社の成長見込み、従業員の中長期的なキャリア形成をも含めて 様々な視点から考える必要があり、非常に大きな仕事になり、慎重かつ大胆な 対応が必要です。かつ改正に改正を重ねていく制度になります(一度に決まるものではありません。時代の変化にあわせる必要もありますし…)。

しかし、苦労する分、効果も見込めると思います。
公正かつやる気のおこさせる人事制度を作ることは 会社の活性化と組織を大きくしていくには 非常に効果的ですから・・・