No.18: 年金の行方について思う…
「一生働け!」なのか? 「一生働こう!」なのか? それとも、年金で悠々自適!!


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進む超高齢化社会…

皆様のご認識の通り、日本社会が大きく変わってきています。
2022年10月現在 65歳以上の人口構成は29%です。統計局HPより

現状で10人に3人は65歳以上という状況です、
そして、令和5年厚生労働白書の資料によると2040年には65歳以上が35-36% という推計がでています。

どんどん、超高齢化社会は進むでしょう…流れはかわらないかと・・・
政府も少子化問題に取り組んでいますが・・・
状況が好転することは・・・
僕は、国のみるべき視点の根本が違うと個人的に思っています。
子育てしやすい環境を・・・といいますが・・・

ここからは、僕の個人的見解です。あくまで・・・
現状は、その前の部分が問題だと思うのです。
保育園がどうのこうのじゃないんだ?結婚する子供を育て得る経済的なゆとりを持てる人間を増やすことこそが大事であると僕は前々から思ってました。
(実際の政策立案者は、めぐまれた立場にいる人がほとんどなので、めぐまれない立場の人々のニーズがわからないんだろう・・・と思ってしまいます。)

バブル崩壊以降・・・
だいぶ貧富の差は開いたような気がします。
特に就職氷河期を経て、差は広がったような気がします。
そして、
金銭的余裕がなければ、将来が不安で、結婚も躊躇するし、子育ても考えるでしょう…
結局は、これにつきます。
ただでさえ、教育費はかなりお金がかかります。
そして、そのことをしっかりと認識する人が多勢を占め、 将来に不安を覚える人が多いからこそのこの状況でしょう。
多分、大企業だけでの状況の統計をとれば、証拠として浮かびあがるのではないか?と思います。

そして、少子化の流れを変える機は多分逸していると思います。
団塊の世代の子供たちの年代も、そろそろ50です。
大きな人口層のブロックは、もう老後にはいっていきますので・・・



 


 年金の今後は…


さておき、超高齢化社会が進むことは、逃れられないですから、これを踏まえて年金制度も変わっていかざるを得ないと思います。
というわけで、2023年10月24日開催の年金部会の資料を確認してみました。 詳細はコチラ
部会にでる資料というのは、ほぼ既定路線になることとご認識下さい。

ほぼ、日本の法律政策は、各省に審議会 その下に専門委員会等がぶら下がっていて、 検討・審議し、その結果を答申として、政府に示し、それを受けて法律や政策がきまるという仕組みです。

10月24日分は、まだ、議事録がでていないので、資料をみながら、国の意向を探っていくということになります。
(なお、資料の解釈は、東大卒社労士の勝手な見解を含むものであることを踏まえてごらんください。)

まず現状分析とこれまでの意見をまとめるという体裁で以下のような文言が載っています。
高齢者の就労者が増えている。
高齢者収入のうち年金の占める割合が高い (収入の約6割→年金の存在は大きい)
在職年金制度が高齢者の就労に影響を及ぼす割合は低くなる傾向はあるが、依然としてその影響はある。
(47万の上限をあげるなり、根本的な改革が必要では・・・)
(また、この件は年金だけでなく税制も踏まえて考える必要があり、かつ、賃金だけでなく、資産状況も踏まえて 見直しを・・・)
令和2年年金改正の際の付帯事項:基礎年金を40年から45年に… (拠出期間の45年化は前から取り残してきた問題である。)
財政的に、厚生年金に対して国民年金が厳しい。 (両年金合わせた対策が必要だ・・・)

等が資料として示されています。
ここから読み取れることは、近いうちに国民年金の徴収期間は45年にかわるだろうということです。
ただ、支給額も増やすつもりのようです。
また、在職年金制度では、年金をもらいながら働いている人は、収入が多いと厚生年金の比例部分に制限がかかる仕組みなのですが、 より働きやすいようにこの規制の緩和も考えているようです。なので、単に制度を改悪するだけのつもりはないようです。

また、前回の議事録(9/21開催)も読んでみたのですが、年収の壁について議論している中で、 以下のような意見がでています。
第3号被保険者制度について、未来思考で今から見直しの方向性を示す時期に来ている。
短期的な対応として適用拡大をスピード感を持って実行していくとともに、同時に中長期を見据えて 未来思考で第3号被保険者制度の見直しの議論をスタートしていただきたいと考えます。
多分、国としては、3号被保険者をなくす方向で考えているんじゃないか?とボクは思っています。
少なくとも、この2回の審議会を見ていえることは、
近いうちに国民年金の収める期間は45年に変更になる。
厚生年金の被保険者を増やす施策がでる。

きっと、多分、10月に厚生労働省から年収の壁のパッケージが公表され、実質130万円稼いでも扶養から2年は離れないで済む としていますが、多分、この施策の呼び水的な形になっているんだなぁと思っています。
もう、全国民、厚生年金へ…というのが将来の流れな気がします。というか、そういう見方をしている人がほとんどかと…
あとは、どのタイミングで、適用が拡大されていくか?だと思います。

 



 「一生働け!」なのか?
 「一生働こう!」なのか?
 それとも、年金で悠々自適!!


当然、年金で悠々自適は、あってほんの一握りかと・・・
多くの人が、年金をもらいつつも、働く必要が生じるということです。

今回読んでいた行政の資料の中で、こんな文章がありました。
「70、80まで働くのが当たり前と思っている今の若い世代は・・・」 ・・・
つまり、高齢化社会を迎えるにあたって、
年をとっても働くことが当たり前の時代がやってくるということです。
(少なくとも、国もこのことは折り込み済みということでしょう…)

だって、2040年には65歳以上が35%以上ですよ・・・
働いてもらわないと社会がもちません・・・
外国の方に頼るというのもありますが、もし、このまま円安なんてことになれば・・・
やっぱり、みんなで働いて社会を支える必要があるのです。
多分、これを否定できる人は少ないと思います・・・

ただ、どのように働き、社会に貢献するか?
そして、社会がどのような働く場所を与えるのか?
これが重要になってきます。
それによって、
「一生働け!」なのか「一生働こう!」なのか?
の大きな分かれ道ができます。

お金がなくて、老骨に鞭うって働くのは僕は嫌だし、他人であってもそういう姿を見たくありません。

本当に、皆が皆の立場と健康状況と能力を踏まえて、お互いを尊重しあい、感謝しあい、 お互いを支えあう労働環境が構築できたのなら・・・

人は、喜んで
一生働こう!
という気持ちになるし、
働いてくれるおじいちゃん、おばあちゃんに、心から「ありがとう」といえる社会。
期待してくれるのがうれしくて、楽しく働く、おじいちゃん、おばあちゃんがいる社会
こんな社会になれば・・・と僕は思います。

ただ、ハードルは高いです。
老化現象は、色々働く上で制約がでます。それも、人によってまちまちです。
その多様性を認めながら、人と人の労働の成果に対する公平性を図って 行かねばなりません。

DX化及び働き方改革は、これにそうものであると思いますが、 まだ、足りないような気がします。根本から大きく変える必要があります。

I HAVE A DREAM!
そんな夢を語り、先導してくれる政治家がでてくることを僕は願っています。
国単位でやらないと実現は難しいですから・・・

なお、私は社労士を生業としています。
理想は理想として現実も見なければなりません。
今、お客様に対していえることは、労務の観点から、この変わる世の中の中で、 何ができるか?
どうすれば、自己と従業員を守れるか、富ませることができるか?
ということを一緒に考え、PDCAで実行するお手伝いをすることと考えています。
ゆえに、制度変更の動向も踏まえて、お客様の進むべき道も、現実を踏まえて 考えていくつもりです。