No.3 意外と悩ましい 残業時間の カウント方法

 


 残業時間のカウントは、30分単位?15分単位?


 
 

 
 
   

 
 

 
 

 



 じゃあ法律を守るにはどうすれば?

18時が定時だったとして、
18時ぴったしに業務を終了させることができるのか? と思われる方は、多いと思います。特に事務系の仕事にの場合は、そうだと思います。

で、社労士事務所が推奨するのが、固定残業制度です。
あまり残業が多くないところなら、計算しにくい端数を15分×20日=5h等ぐらいと考えて、 固定残業時間を設定して、この5時間をカバーするのです。
また、ある程度の残業があるというところは、その時間も考慮して 固定残業代を設定します。

ここで注意点ですが、例えば、固定残業時間40hと設定した場合、 この40時間を超えて従業員が働いた場合は、超えた時間分の残業代を支払う必要があります。
また、60時間以上の分については、5割増の賃金となりますので、 固定残業時間を設けても、好き放題働かせることができるわけでなく、 時間の管理は大切です。

また、しからば、全員管理職にしてしまえば、残業代を考える必要ないのでは・・・ と思う方もいるかと思います。
実は、これ、非常に悩ましい問題が付きまといます。
「管理監督者」の定義が問題になります。
少々、難しくなるので、定義については割愛しますが、 残業代を節約するために管理職にするようなことは、 あとで、大きな問題を生むことが多いので、気を付ける必要があります。
(詳しく知りたい方は、「日本Mドナルド事件、名ばかり管理職」でググってください。)

 


 悩ましい残業時間の考え方

悩ましい問題なのですが、基本に戻って「残業時間」の定義について考えます。
簡単に言えば、残業時間とは、会社の命令に従って、従業員が会社の指揮下で時間外に労働した時間です。

定時後、同僚とおしゃべりをして、チャッパをしばいていたりして、会社に残っていた場合は、 残業時間にあたりません。組合活動もそうです。
じゃあ、上司の指示でなく、従業員が勝手に残って仕事していた場合は、残業代に入らないのか?
といえば、多分、そこに黙示的な指示が存在している場合も、多いでしょうし、社会通念上も、 仕事をしているのであれば、残業代にカウントすべきとなると思われます。

会社にきて、身支度する時間はどうでしょうか?
結構、これも奥が深いです。
会社にきて、ロッカーに荷物をおいて・・・ということは、勤務時間にあたりません。
ただ、工場のような場所で、会社指定のユニフォームに着替えるとかいう場合は、会社の命令で 着替えをするので、その時間も勤務時間になるという裁判結果が存在します。
要するに、業務上、絶対的に必要な身支度であり、かつ、会社の指示があれば、 原則、業務時間として、時間外にそれを行った場合は、残業時間としてカウントする必要があります。

いろいろと難しい問題をはらんでいますが、 ごまかしごまかしいくと、あとで大きなしっぺ返しになることもあります。
特に、未払い残業代の支払いを命じられると かなり大きな負担になることが多いですので、 今一度、御社の状況を再チェックすることをお勧めします。